公正証書遺言とは

公正証書遺言とは ?

 遺言という言葉を知っている方は多いと思います。しかし、遺言には様々なものがあります。遺言の種類については、以前の記事をご覧下さい。ここでは、公正証書遺言について、詳しくご紹介します。

公正証書遺言とは、一言で言うと、「公正証書」として作った「遺言」ということになります。まさに、言葉のままですね。公正証書とは、公証人が作る公文書です。公正証書遺言は遺言者が、公証人に対して遺言の内容を口頭で伝え、公証人がその内容を文書として作成するものになります。公証人が遺言者の意思を確認して作成されることから、一般的に信頼性の高いものといえます。

公正証書遺言は公証役場で作成保管検索できる!

 公正証書遺言は、公証役場で作成することが原則ですが、病気等の理由で公証役場に行けないときは、公証人が出張することも可能です。作成された公正証書遺言は、公証役場で保存されます。ですから、お亡くなりになられた方がいる場合には、公証役場に必要書類を揃えて検索・照会を依頼する手続きによって、公正証書遺言がないかどうか調べることができます。もし、公正証書遺言があるかもと思った場合には、まずは公証役場で調べてみるべきです。

公正証書遺言のメリットは大きい

 さて、長くなりましたが、このような公正証書遺言のメリット・デメリットをまとめてみましょう。あくまで一般論としてではありますが、参考にしてみてください。

メリット

①内容の適正なものを作成することが期待できる。

②遺言能力や遺言意思などについて無効となる可能性が低くなる。

③遺言を捨てたり隠されたり書き換えられたりしない。

④検認手続が不要。

デメリット

①作成に費用・時間が掛かる。

②公証人が関与し、証人2名が必要など、手続きが厳格。

公正証書遺言を作るには

 では、このようにメリットのたくさんある公正証書遺言はどうやって作成するのか、ご紹介します。公正証書遺言は、法律で方式が定められていますので、その方式に則って作成することになります。

①証人2人以上を立ち会わせ②遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授して③公証人が口授を筆記し④公証人が遺言者及び2人以上の証人に対して読み聞かせ又は閲覧させて⑤遺言者と証人がその筆記が正確であると承認の上、署名押印し⑥公証人が適式な方式で作成されたことを付記して署名押印することによって、作成する。

なかなか難しいですね。それぞれ注意点は沢山ありますが、いくつかご紹介します。①利害関係を有する者は欠格者として証人になれません。立会いは最初から最後まで立ち会っている必要があり、途中で抜け出したりした場合には無効になります。②口授とは、口頭で述べることです。どの程度口頭で述べなければならないかは争いになるところですが、必ずしも一言一句についてすべて口頭で述べることまでは求められていません。弁護士などが作成を依頼された場合には、事前に公証人と内容について原稿などを作成して渡しておくことは、珍しくありません。また、聴覚・言語機能障害がある方の場合には、通訳人による通訳(手話などですね)か自書によることも認められています。

公正証書遺言を作るのに向いているケースは?

 公正証書遺言は、費用・時間が掛かったり、手続も厳格ですが、メリットも大きいです。遺言者が高齢で遺言能力などに将来紛争が生じるおそれが高い場合には、公正証書遺言を作成したほうが安心といえるでしょう。もっとも、公正証書遺言であっても無効となる場合もあることはご承知下さい。また、遺産が多数あるなど遺言内容が複雑な場合にも、内容の正確性や本人の負担などを考えると公正証書遺言を作成するのがよいでしょう。いずれにせよ、個別の事情によって最もよい方式の遺言を選択することが重要です。どういった遺言を残したいのかも含め、遺言についてお悩みの場合には、弁護士をはじめとした専門家にご相談ください。

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